ドックスベストセメント

ドックスベストセメントとは

ドックスベストセメントとは、アメリカで開発された虫歯の治療法です。一般的な虫歯の治療とは、歯の中にある虫歯菌を削り、その部分に詰め物をするという方法を取ります。つまり、虫歯になった部分を大きく削る必要が出てくるうえに、進行した虫歯の場合は歯の中の神経を取る必要性があるため、歯に大きな負担を与えてしまうのです。

一方、ドックスベストセメントとは、虫歯菌を削らずにミネラルによって殺菌する治療法です。ドックスベストセメントは、大切な歯をほとんど削る必要がなく、神経を取り除かずに済む確率が高くなります。よって、歯の寿命をできる限り長く保つことが可能となるのです。

ドックスベストセメントは、アメリカでは安全な治療という認識が浸透しており、数多くの歯科で用いられています。

ドックスベストセメントはなぜ有効なのか

ドックスベストセメントは、虫歯治療として大変有効な方法だといわれています。しかし、それは一体どうしてなのでしょうか?その理由を以下に説明します。

1.治療にミネラルを使うことで高い効果を示す

ドッグスベストセメントの手術は、虫歯が発生した箇所に、ドッグスベストセメントを詰めることで治療をします。ドッグスベストセメントとは、銅セメントのことを言います。このセメントは銅や亜鉛、アルミニウムなどのミネラルを主成分としており、殺菌作用と歯の再生を促すといわれています。

このようなしくみを備えているドックスベストセメントだからこそ、虫歯の部分を大幅に削らず、患部にセメントを詰めるだけで、虫歯菌を対処することが可能となるのです。ミネラルの主成分でもある銅は、わずかな量でも強い殺菌力を持ち、効果も永続的に続くとされているため、注目を集めています。さらに、銅以外のミネラルは、虫歯菌に感染した歯の再生を助け、虫歯菌の影響で溶けかかった部分を再石炭化(再生)することで、治癒させる役割を持つのです。また、歯をほとんど削らなくても良い治療であることから、痛みが少ないというメリットもあります。

2.ドッグスベストセメントは口腔内に幅広く浸透する

いくらドッグスベストセメントの治療を行ったにしても、ミネラル自体が口腔内で有効に働かなければ、効果が低くなってしまいますよね。しかし、ドッグスベストセメントを詰めることで、ミネラルは歯の奥にある象牙細管にまで、浸透することができる性質を持っています。これにより、象牙細管に潜んでいたり神経に達した虫歯菌も、殺菌することができるのです。

3.抗生剤は一切使用しない

ドッグスベストセメント以外の虫歯治療では、抗生剤を使用することが多いものです。治療法によっては、歯を大幅に削らず、殺菌効果の高い抗生剤を塗布することで、負担をできる限り緩和する治療法もあります。ただ、抗生剤を使用することには変わりはありませんので、アレルギーがある方は、注意が必要です。

しかし、ドックスベストセメント治療なら抗生剤は使わず、薬物ではないミネラルを使用します。そのため、アレルギーが疑われる方や子ども、妊娠中の方、抵抗力がない方に至るまで、安全性の高い手術を行うことが可能になります。

4.銅イオンはバイオフィルムを破壊することができる

ドッグスベストセメントはミネラルでできており、その主成分は銅であることをお話ししました。また、この銅は、虫歯菌の生息環境である「バイオフィルム」を破壊することができるといわれています。つまり、バイオフィルムは虫歯菌を守る特徴がありますので、これを根絶させることが重要なのです。

ドッグスベストセメントに使用されている銅は、触媒により銅イオン化するとされています。イオン化した銅は細菌の至るところに吸着浸透し、銅イオンと鉄イオンの電位差が絶妙なコンビネーションを生み出します。この働きにより、バイオフィルムの生成を妨げ、強力な殺菌作用で虫歯を治すのです。また、銅イオンはバイオフィルムにとどまらず、プランクトンの微生物形を殺す役割も備えていることから、高い破壊力があることがうかがえます。

ドックスベストセメントのメリット

ドックスベストセメントには、下記のようなさまざまなメリットがあります。

  • 虫歯菌を削る必要がないため、痛みが少ない
  • 進行した虫歯でも、神経を残すことができる確率が高い
  • 治療回数が少なく、副作用がない

ドックスベストセメントのデメリット

痛みが少なく、安全性の高いドックスベストセメントですが、以下のようなデメリットもあります。

  • 保険適用ができない
  • 状況によっては、ドックスベストセメントの治療ができない場合がある
  • 治療を行っても、一生虫歯にならない保証はない
  • 治療後も定期的な通院が必要

この治療に適している人とは?

ドックスベストセメントは、痛みに弱い人や頻繁に歯科に通うことが難しい人に向いていると言えます。虫歯治療は、強い痛みを伴うため歯科に足が向かず、ひどい状況になってから初めて受診する人もいます。しかし、歯をほとんど削らないドックスベストセメントなら、痛みを感じることが少なく、神経まで抜く必要がない場合も多いため、大人のみならず子どもにとっても安心です。

また、仕事などで忙しかったり、近くに歯科がなかったりする人にとっては、足繁く通院することが困難なことも多いでしょう。しかし、ドックスベストセメントの治療は、一般的に2~3回の治療で済む場合がほとんどです。治療回数が少なくて済むことは、大きな助けになります。

この治療が適さない人の特徴

ドックスベストセメントの治療に向かないのは、1回の費用を安く抑えたい人や歯の見栄えの美しさを重視する人などです。ドックスベストセメントは保険適用外の治療であることから、1回に万単位の治療費を支払わなければならない場合があります。

さらに、ドックスベストセメントは、歯をほとんど削らない治療法のため、変色した虫歯は完全に取り除くことができない場合があります。そのため、前歯などの見えやすい部分の虫歯や歯の外見的な美しさにこだわる人にはおすすめできません。また、進行した虫歯の場合は、この治療法が適さないこともあります。

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